
朝、1杯の香り高いコーヒーを飲まないとスッキリ目が覚めない。
つい眠くなってしまう午後のひとときは、濃いめのブラックコーヒーでシャキッと気分転換。
そんな人も多いのではないでしょうか。
コーヒーに含まれる「カフェイン」は、脳内で眠気をもたらす「アデノシン」を阻害する働きがあり、眠気を覚ましてくれるといわれています。
もし「コーヒー断ち」をしたら、その人は朝の目覚めが悪くなったり、オフィスで居眠りしたりしてしまうのでしょうか?
今回は「コーヒー断ち」をした場合に起こるカラダの変化や、コーヒー断ちの必要性について考えてみます。
コーヒー断ちで起こる変化①寝付きや寝起きがよくなる?

コーヒーのカフェインは、飲んでから平均3~4時間は体内で影響を及ぼし続けるといわれています。
そのため、午後から夜にかけてよくコーヒーを飲む人がコーヒー断ちをすると、これまで就寝時刻に体内に残っていたカフェインの影響を受けなくなるため、寝付きがよくなるかもしれません。
いっぽう、コーヒーを飲んでからカフェインの効果が現れるのは15~20分ほど経過してから。
ふだん、朝起き抜けにコーヒーを飲んでいる人が「コーヒー断ちをしたからぱっちり目が覚めないよ…」というのは実は思い込みかもしれませんね。
コーヒー断ちで起こる変化②肌の調子がよくなる?
毎日3~4杯飲んでいたコーヒーを1杯だけにしたり、やめてしまった人からはよく「コーヒー断ちしたら、吹き出物が出にくくなった」という声を聞きます。
コーヒーに含まれるカフェインで吹き出物ができやすくなる理由としては次のような説があります。
利尿作用でビタミンが流出
カフェインには、通常よりも速いペースで尿を作り排泄させる「利尿作用」があります。
このとき、健康な肌に欠かせないビタミンやミネラルが尿とともに流出してしまうため、肌荒れにつながると考えられています。
自律神経のバランスが崩れる
人の身体は、目覚めて活動するときは「交感神経」、眠って休息しているときは「副交感神経」が優位になるよう、自然に切り替わっています。
カフェインを摂りすぎると、この自律神経のバランスが崩れて、交感神経優位になってしまうことが。
すると、肌の角質層のターンオーバー(生まれ変わり)が滞り、吹き出物の原因となる場合があるそうです。
コーヒー断ちで起こる変化③胃の調子がよくなる?

カフェインは胃液の分泌を促進する作用もあるといわれています。
食事中や食後なら、消化の助けになるのでよいのですが、空腹の状態でコーヒーだけを飲むと、胃壁が胃酸でダメージを受けてしまうそう。
朝一番や空腹時に、濃いブラックコーヒーを飲む習慣のある人は、もし胃の調子がよくないなら、一度コーヒー断ちをして様子を見るのも1つの方法ですね。
それで胃の調子が改善するなら、次からはコーヒーにミルクを入れたり、食事と一緒にコーヒーを飲むようにすると良いでしょう。
無理にコーヒー断ちしなくても大丈夫?

とはいえ、コーヒーは、古くから薬として取引されていたことからも分かるように、次のような多くの効能もあるといわれています。
- 疲労回復
- コレステロール値を下げる
- ぜんそく発作の抑制
- 脂肪酸(皮下脂肪)を分解する
- リラックス効果
(出典:国立がん研究センター)
コーヒーの飲み過ぎやカフェインの影響で、体調不良が起きている人はともかく、そうでなければ無理にコーヒー断ちをする必要はないかもしれません。
適量をおいしく味わうのが一番ですね。