
コーヒーは一般的には嗜好品と捉えられているため、あまり「栄養」を意識したことはないのではないでしょうか。
今回は、コーヒーには栄養と呼べる成分が含まれているのか、それぞれの成分の身体への影響などを解説します。
食品成分表ではコーヒーはどう書かれている?
まずは国が公開している「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」で、コーヒーの成分をチェックしてみましょう。
成分名 | 100gあたりの 含有量 |
---|---|
水分 | 98.6g |
炭水化物 | 0.7g |
タンパク質 | 0.2g |
灰分 | 0.2g |
カリウム | 65mg |
リン | 7mg |
カルシウム | 2mg |
ナトリウム | 1mg |
ナイアシン | 0.8mg |
ビオチン | 1.7ug |
ブラックコーヒーの場合、98.6%と大半が水分ですね。
その他にわずかに含まれている成分を見ていくと、例えば「ナトリウム」は成人の1日の上限量600mgに対し1mg、「カルシウム」は600~700mgに対し2mgと、良くも悪くも、ほとんど身体に影響を与える量とは言えません。
若干多く含まれているのは「ビオチン」1.7ugで、1日の標準摂取目標の50ugに対して3%ほど摂ることができます。
食品成分表に載っていない成分も

食品成分表に掲載されているコーヒーの栄養成分は国の基準で定められたものに限られますが、近年ではそれ以外の成分も注目されています。
クロロゲン酸
「ポリフェノール」とは植物由来の抗酸化物質の総称で、コーヒーにはその一種である「クロロゲン酸」が含まれます。
クロロゲン酸はコーヒーの褐色や苦味・香りを作り出している成分。
クロロゲン酸の効果効能については、まだ研究が進められている途中ですが、強い抗酸化作用(細胞のダメージを防ぐ作用)を持っているらしいという報告が多数寄せられています。
タンニン
「タンニン」も、「フラボノイド」と呼ばれるポリフェノールの一種で、日本茶・紅茶やコーヒーの色や渋みのもととなる成分です。
消臭抗菌効果や、抗酸化作用があるとして注目されています。
マイナスの作用としては、歯の着色汚れ(ステイン)の原因としても知られています。
カフェイン

コーヒーに含まれる「カフェイン」は、体質や摂取量により、良くも悪くも働きます。
胃の粘膜を刺激する作用があるので、消化の促進や食欲増進に役立つこともありますが、反対にコーヒーで胃が痛くなったりむかつきを覚える人も。
また「覚醒作用」として、眠気がさめてすっきりする、集中力が高まるなどが挙げられますが、午後から夜にかけてコーヒーを飲み過ぎると夜眠れなくなってしまうこともあります。
また、カフェインの利尿作用によって、むくみ改善が期待できますが、就寝前にコーヒーを飲むと夜中にトイレで目が覚めてしまったり、必要なビタミン・ミネラルを必要以上に排出してしまうなどの弊害があります。
カフェインやタンニンの作用については、以下の記事にも詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ミルクや砂糖入りのコーヒーの栄養素は?
コーヒーにミルク(牛乳)を入れると、
- カルシウム
- たんぱく質
- 脂質
などがプラスされます。
そのほか牛乳の微量成分「オピオイドペプチド」には神経の興奮を鎮める働きが、「MBP(乳塩基性たんぱく質)」には骨密度を高める働きがあるとされています。
コーヒーに入れるグラニュー糖には、ほぼ糖質(炭水化物)しか含まれませんが、黒糖や蜂蜜にチェンジすれば、各種ビタミン・ミネラルの含有量がアップするのでおすすめです。
▼コーヒーとの組み合わせ、おすすめは以下の記事でも紹介しています。
なお、ミルクや砂糖を加えると栄養分だけでなくカロリーもアップしますので、以下の記事も参考に適度な量を飲むようにして下さいね。
参考:文部科学省 科学技術・学術審議会「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」