
夏が過ぎて涼しい季節になると、熱いコーヒーが恋しくなりますよね。
いつも自宅やオフィスでコーヒーを淹れたり飲んだりするときには、お湯の温度まで意識していない人がほとんどだと思います。
でも、実はコーヒーを淹れるときにも、「適温」というのがあるんです。
今回は、器具や淹れ方別に、コーヒーの美味しさが引き出せる温度について解説します。
見出し(淹れるとき編)
まずは、コーヒーを淹れるときの適温について。
【ドリップコーヒー】お湯は何度が適温?
挽いたコーヒー豆をフィルターをセットしたドリッパーにセットし、お湯を注いで淹れるドリップコーヒー。

ドリップの場合、もっとも理想的なお湯の温度は85~90℃といわれています。
一般的には、高温(90~95℃)のお湯を使った場合、コーヒー豆の「苦み」が強く出やすいとされています。
逆に、低温(80~85℃)では酸味が出やすい傾向が。
また、100℃の沸騰したお湯でドリップしてしまうと、雑味が出てしまうので良くないといわれています。
85℃~90℃のお湯だと、どちらかに偏らず味のバランスがよくなるわけです。
とはいえ、ヤカンでお湯を沸かしていると、今いったいお湯が何度なのかというのは分かりにくいですよね。
その場合は、沸騰後、コンロからおろして2~3分待つか、コーヒー用の口の細いケトルに移し替えると,程よく温度が下がり、90℃前後にすることができます。

季節によって温度の下がり方は多少異なりますが、温度計を持っている人は、最初は温度を測ってみると、だんだん感覚がつかめてくるでしょう。
なお、自動のコーヒーメーカーでは、水を入れれば最適な温度に温めたお湯で抽出してくれます。
また、電気ポットも60℃/90℃/100℃など、温度設定できる機能付きのものがあるので、ぜひ活用してみて下さい。
【フレンチプレス】は沸騰したお湯でもOK?
ただ「フレンチプレス」でコーヒーを淹れる場合は例外的に100℃の沸騰したお湯でもOKといわれています。

「フレンチプレス」とは、上記のようなガラス製の器具。「コーヒープレス」とも呼ばれます。
コーヒー豆を入れ、お湯を注いで抽出し、フィルターをそっと押して作ります。
フレンチプレスでコーヒーを淹れるときには、ドリップよりもかなり豆を粗く挽きます。
そのため、温度が低めのお湯では抽出が不十分になりがち。高温でしっかり抽出が必要なのですね。
番外編【インスタントコーヒー】の適温は
ちなみに、粉末のインスタントコーヒーも、90℃くらいのお湯を使うのがおすすめですよ。
100℃では、ドリップコーヒーと同様に雑味が出てしまう可能性があります。
コーヒーを飲むときの適温は何度くらい?
さて、では適温のお湯で淹れたコーヒーは、何度くらいで飲むのがベストなのでしょうか。
ヒトは体温より35℃くらい高い飲み物をおいしく感じるという報告があるので、コーヒー、お茶、味噌汁などは一般的には70℃前後が飲み頃といえるでしょう。

基本的には、上記で紹介した温度で淹れて、カップに注ぎ、すぐに飲むようにすればほぼ適温で飲めるはず。
ただ、インスタントコーヒーなどは温度が下がると甘みが感じられにくくなり苦味が前面に出てきますが、新鮮な豆で淹れたコーヒーは、冷めても比較的味や香りが落ちないのが特徴ともいわれます。
また、秋冬の寒い季節は、カップに注いだコーヒーはどんどん冷めていきます。
最後まで温かいコーヒーを楽しみたいなら、保温効果のある二層構造のカップを使ったり、最初にお湯でカップを温めておくのがおすすめです。