
古今東西、「コーヒーは体にいい」「いや体に悪い」とさまざまな意見が飛び交ってきましたが、現代ではどうやら、「コーヒーにはさまざまな効果効能がある」という見方が主流のようです。
コーヒーが体に具体的にどのような影響をあたえるのか?よく耳にするものから順に紹介していきます。
コーヒーと血圧の関係は?

一昔前は、コーヒーに含まれるカフェインが血圧を上げ、高血圧などの患者にとってよくないと考えられていました。
しかし、国立循環器病研究センターのデータによると、コーヒーで上昇する血圧は、軽く歩いたり食事をとったりした時と同じ8~10mmHgていどで、1時間もすると元通りになるということ。
また、継続的にコーヒーを飲んでいると血圧がどんどん上がっていくのではないか…という心配に対しては、繰り返し摂取することで体が慣れて耐性が生まれ、逆にコーヒーを飲んでも血圧が上がりにくくなることが分かっています。
コーヒーで血糖値はどうなる?
「食後の血糖値が気になる…」という人も多いと思います。
コーヒーと血糖値の関係も長年研究されていて、2008年~2009年の16週間にわたって行われた九州大の研究では、毎日ブドウ糖を摂取した後でコーヒーを飲んでいたグループは、そうでないグループと比べ、2時間後の血糖値が低く抑えられていたことが証明されています。
しかもなんと「カフェインレス(デカフェ)」のコーヒーでも同レベルの効果があったそうです。
ただし、上記の実験は、ブラックコーヒーでおこなったものだそう。
砂糖をたっぷり入れたコーヒーや甘い缶コーヒーを飲み過ぎると、血糖値の上昇を抑えるどころか逆効果になる可能性もあるので注意して下さいね。
コーヒーで貧血になるってホント?

貧血にはいくつかの種類があり、それぞれ別の原因で起こります。
そのうちの1つである「鉄欠乏性貧血」は、酸素を運ぶ役目のある血液中の「ヘモグロビン」の濃度が低下した状態をいいます。
疲れやすい、息切れ、立ちくらみなどの症状改善のために鉄剤を処方されることもありますが、その時には「コーヒー・紅茶・緑茶などと一緒に飲まないで下さい」と注意書きがあるはずです。
これは、コーヒーに含まれる「タンニン」が、鉄分の吸収をさまたげるため。
つまり、コーヒーそのものが貧血を招くのではなく、食事や薬など鉄分と一緒にコーヒーを飲むことがよくないということですね。
その場合、時間を空ければOKということが多いですが、気になる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
コーヒーで胃もたれする…その理由は
「コーヒーを飲むと胃もたれする…」という人もいるかもしれません。
実は、コーヒーの胃への作用は、コーヒーの濃さやその時の胃の調子、体質などでさまざまなパターンが考えられるそう。
コーヒーの成分である「カフェイン」が胃の働きを活発にさせて胃酸の分泌を促し、消化を促進するので、食後のコーヒーで胃もたれが解消すると感じる人もいます。
しかし、空腹時に濃いコーヒーを飲むと、胃酸によって胃の粘膜が荒れてしまい、消化がスムーズに進まず胃もたれが悪化する可能性もあります。
体調と相談しながらうまくコーヒーと付き合っていきたいですね。
おわりに
紀元6世紀ごろエチオピアで発見されて以来、長いあいだ薬として珍重されてきた歴史を持つコーヒー。
これからも研究が進めば、さまざまな効果・効能が発見されていくのではないでしょうか。
※なお、この記事では、公共機関や団体の発表したデータに基づいて一般的なコーヒーの効果効能を紹介しています。個別の症状を改善したり、医師の診断に代わるものではありませんのでご注意下さい。