カフェインレスコーヒー・デカフェコーヒーとは

欧米のコーヒーカルチャーの広まりや健康志向から、最近では、カフェやコンビニでも必ずといっていいほどメニューにある「カフェインレスコーヒー」や「デカフェ」。

しかし、これらの正確な意味やカフェインの作用などについてはよく分からず、「なんとなく」で選んでいる人もいるかもしれません。

今回は、そんな「カフェインレスコーヒー」や「デカフェ」の分類カフェインとからだの関係などについて解説します。

コーヒーの「カフェインレス」「デカフェ」「ノンカフェイン」の違いは?

カフェインレス」は聞き慣れた単語ですが、実は和製英語。

デカフェ」はフランス語ですが英語圏でも広く使われており、欧米のカフェで注文するときは「デカフェ」でないと通じないんです。

一般的に売られている「カフェインレスコーヒー」「デカフェ」は、コーヒー豆の加工段階で、カフェイン成分だけを取り除いたもの。

ただし、取り除ける量には限界があり、わずかにカフェインは含まれています。

2019年に施行された国の「公正競争規約」では、

「カフェインレスコーヒー」とは、カフェインを90パーセント以上除去したコーヒーをいう。

と定義しています。

いっぽう、「ノンカフェイン」と名乗ったドリンクは、麦茶やハーブティーなど、素材そのものにカフェインが含まれないものをいいます。

ということは、つまり「ノンカフェインコーヒー」は存在しないことになりますね。

(※一部、タンポポの根を加工・焙煎した「たんぽぽコーヒー」は、厳密にはコーヒーではありませんが「ノンカフェイン」と銘打って販売されています)

カフェインレスコーヒーの製法は?

コーヒー豆からカフェインを取り除くにはいくつかの方法があります。

最初に発明された「有機溶媒抽出法」によるカフェインレス豆は、現在日本では輸入が禁じられています。

ポピュラーな水抽出法は、低コストですがやや風味が劣る場合もあります。

最も新しい方法の「液体二酸化炭素抽出」「超臨界二酸化炭素抽出」は、水と二酸化炭素を使用し、安全で風味もよいとされますが、商品の価格はやや高めになります。

「カフェインレスコーヒーは美味しくない」と聞くけれど…

「カフェインレスコーヒーは香りがない」などと聞いたことはありませんか?

たしかに、カフェインを取り除く工程で、香りや味わいのもととなる成分が流出する可能性はあります。

しかし、コーヒーの美味しさは、豆の鮮度や、焙煎から挽き方、淹れ方など、たくさんの条件が重なって生まれるため、一概にカフェインレスだから味が劣るとは限りません。

新鮮な豆と適切な焙煎やドリップができていれば、通常のコーヒーに劣らないおいしさが期待できるはずです。

妊娠中でもカフェインレスなら大丈夫?

妊婦さんや授乳中の女性は、赤ちゃんへの影響を考えてカフェイン摂取を控えている人も多いと思います。

カフェインの人体への作用は個人差が大きいため、あくまでも目安となりますが、世界的に、妊婦さんが1日に摂ってもよいカフェインの量は200mg~300mgを上限としている国が多いようです。

通常のコーヒーなら、マグカップで2杯~3杯分

市販のカフェインレスコーヒー豆は少なくとも90%のカフェインがカットされているので、1日に1~2杯なら、特別にカフェインに敏感な体質でない限り、ほぼ心配いらないといえるでしょう。

時間帯や体調に合わせてコーヒーを楽しもう

働く日の朝のコーヒーは気分をスッキリとさせて一日の始まりを応援してくれたり、休日の午後のコーヒーはゆったりと心からリラックスできたり…。

そして、カフェインレスコーヒー・デカフェは、やはり午後から夜にかけての打ち合わせやディナーの後にぴったりです。

シーンや時間帯によってベストな一杯を楽しみたいですね!