
おしゃれなカフェで、カフェラテなどのコーヒーを注文すると、ミルクの泡とコーヒーを利用して、ハートなどの絵を描いて提供してくれることがありますよね。
これを「コーヒーアート」または「ラテアート」と呼びます。
今回は、このコーヒー&ラテアートはどうやって作られているのか、基本的な仕組みと作り方を解説します。
コーヒーアート、ラテアートとは
コーヒー&ラテアートは、基本的にはエスプレッソコーヒーとミルク(牛乳)で作ります。

エスプレッソマシンで抽出したコーヒーに、同じくマシンのスチーム(蒸気)を利用して温め泡立てたミルクを注ぎ、その時の注ぎ方を変えたり、道具を使ったりして表面に絵(=アート)を描いて提供するものです。
発祥は、エスプレッソのふるさとイタリアのカフェだといわれています。
バリスタが、エスプレッソとミルクを使うドリンク「カプチーノ」や「カフェラテ」にミルクを注いだとき偶然にハートや木の葉などの模様が浮かんだのがはじまりだとか。

その後、アメリカでもシアトル系コーヒーショップが流行。
濃いコーヒーが苦手でミルク入りのカフェラテを好む人が多いアメリカで、いっきにコーヒー&ラテアートが広がりました。
コーヒーアート、ラテアートの作り方
コーヒー&ラテアートの具体的な作り方は、大きく分けて2種類あります。
コーヒー&ラテアートの作り方①「フリーポア」
「フリー(free)」は「自由」、「ポア(pour)」は「注ぐ」の意。
特別な道具を使わず、注ぎ方だけで形を描く方法です。
まずカップにエスプレッソを入れ、スチームして泡立てたミルクを静かに注ぎ入れます。
いったんコーヒーの下に沈んだミルクが丸く浮き上がってくるタイミングで、注ぎ口を手前に引けば、丸の中心がへこんでハートの形になるというわけ。

ハート型は単純ですが、それだけに形を整えるのがけっこう難しく、いくつか重ねて花や木の葉のように見せる応用編もあります。

コーヒー&ラテアートの作り方②「エッチング」
「エッチング」はもとは銅版画の技法ですが、針状の道具で模様を描く作業がコーヒー&ラテアートにも通じるためこう呼ばれています。
エスプレッソにミルクを注いだら、ピックなど先の細い道具でミルクの表面をなぞり、さまざまな模様を描いていきます。

絵柄や文字の型の上から、ココアパウダーなどを振ってメッセージを送るコーヒー&ラテアートも人気。

最近では、ミルクを高く盛り上げて、パンダやネコなどの顔を立体的に描く「3Dラテアート」を提供するカフェも登場して話題になっています。
コーヒーアート、ラテアートに必要な道具は?

1)エスプレッソマシーン
コーヒー&ラテアートを作るためには、まずは「エスプレッソマシーン」が必要です。
カフェラテやカプチーノにはたくさんミルクを入れるため、通常のドリップコーヒーでは風味が薄くなってしまいます。
2)ミルクピッチャー
ミルクをスチームしたり、カップに注いだりするのには、細い注ぎ口のついたピッチャーが便利です。

3)底が丸く、口が広めのマグカップ
縦長のマグカップでもコーヒー&ラテアートは作れないことはありませんが、できれば底が丸く、口の広いものがおすすめ。
沈んだミルクがきれいな形で浮いてきて、アートが描きやすくなります。
コーヒー&ラテアートは自宅やオフィスでも楽しめる?
家庭や職場でラテアートを作るにはエスプレッソマシーンが必要ですが、マシンさえあれば、上記のミルクピッチャー・カップのほかに特別な道具はいらないため、比較的気軽に楽しめるでしょう。
ただ、カフェやコーヒーショップにある業務用のマシンの多くは、エスプレッソ抽出用の「ボイラー」が2つ以上ついたものが主流。
これらは「ダブルボイラー」「マルチボイラー」などと呼ばれます。
いっぽう、家庭用のエスプレッソマシーンは抽出口が1つだけの「シングルボイラー」がほとんど。
この場合、まずエスプレッソを抽出→続けてミルクに蒸気を送ってスチームミルクを作る、という2段階の作業が必要になります。
2つの作業を同時に行える「ダブルボイラー」のマシンと比べると、やや時間がかかったり、冬場は出来上がりの温度が低くなったりするデメリットは存在します。
おわりに

テクニックしだいでいろいろな模様を描いて楽しめる、コーヒー&ラテアート。
練習すればするほど上達していきますので、自宅やオフィスにエスプレッソマシーンがある人は、ぜひ挑戦してみて下さいね!