コーヒー,淹れ方,ハンドドリップ

コーヒーを淹れるときに、回しながら入れるのが基本だと思っていませんか。近頃は本格的に自宅で美味しいコーヒーを飲みたいと考える人も増え、以前よりも淹れ方にこだわる人が増えていると感じます。

でも、どれが正解なのかわからず、戸惑うこともあるかもしれません。そもそもハンドドリップでコーヒーを淹れるときに回して入れるのか正解なのか、またどんな違いがあるのかについて、わかりやすく解説していきたいと思います。自宅で美味しいコーヒーをもっと楽しみたいと思っている方、必見です。

■ハンドドリップでコーヒーを淹れるとき回す必要はない?

コーヒーを淹れるときの基本として「の」の字に回して淹れると美味しくなる、こんな話を聞いたことがあると思います。コーヒーの専門書などでも回しながら淹れる姿を見かけるので、これが正しいやり方として認識している人も多いのではないでしょうか。自宅で淹れるコーヒーに限らず、お店などでも回して淹れています。

ただ、どうして回しているのか、この部分を知らない人も多いのではないでしょうか。なんとなく「周りの人がやっているから」などの理由であえて「の」の字で回して淹れているケースが多いと思います。

結論として、適度に回して淹れることはコーヒーを美味しく飲むうえでも必要です。ただし、やたらめったに回せばいいわけではなく、どうして回しているのか、その意味を考えながら実践することで、より美味しいコーヒーを味わうことができます。

もちろん、コーヒーといっても味に好みがあるので、必ずしも回さなくてはいけないわけではありません。あくまでも基本の淹れ方として覚えておくといいかもしれません。

■コーヒーを回して淹れると何が違うの?

おそらく一番気になるのがこの部分だと思います。回して淹れることでコーヒーの何が変わるのか、その部分を解説していきます。「なるほど!」と納得していただけるはずです。

・コーヒーエキスをまんべんなく抽出できる

回して淹れるコーヒーとそうでないコーヒーの場合、エキスの出方に違いがあります。例えば回さずにいれると、一点集中の淹れ方になりますよね。そのため直接接触している粉の部分は、あくまでも中心のみに限られてしまいます。本来であればその周辺にもコーヒーの粉があるのに、抽出できないままになってしまいます。

粉の全体から均一にコーヒーのエキスを抽出できていないことになってしまいます。そのため、同じお湯の量で淹れたとしても薄く、雑味のある味になってしまい、回して淹れたときと全く違う味の印象になります。本来美味しいと言われているコーヒーのエキスは前半にでるもので、後半のエキスはおすすめしません。

出がらしの部分が出てしまい、コーヒーの苦味が強くなってしまうのです。まんべんなく抽出することを考えると、やっぱり回して淹れたほうがいいと思います。コーヒー本来の味が楽しめなくなってしまう可能性があるのです。

コーヒーを淹れるときは、まずは中心から外にずらしていき、外のフィルタ部分にお湯がかからないようにします。フィルタの部分にはコーヒーはありませんし、淹れても意味はありません。お湯をかける場所にも注意すると、コーヒーの美味しい淹れ方が自然とできるようになります。

・淹れる楽しさを実感できる

これは主観になってしまうかもしれませんが、回して淹れることでコーヒーを自分で淹れる楽しさのようなものを実感できるようになります。なかにはできるだけ簡単にコーヒーを淹れたいと思う人もいますし、じっくりと回しながらコーヒーを抽出する楽しさを味わいたいと思う人もいるのではないでしょうか。

ただコーヒーを淹れる作業のようになってしまい、本来の面白さが感じられない人もいます。回しながら淹れるのと、そのままお湯を一箇所に淹れるのでは、気持ちの面でも違いがあります。ひと手間かけることを楽しむのも、コーヒーの魅力なのではないかなと思います。淹れ方一つで味が変わるのはコーヒーぐらいですし、奥深さのようなものも実感できるのではないでしょうか。

■コーヒーを回すときにどんなイメージにしたらいいの?

コーヒーを淹れるときに回すほうがいいのはわかったと思います。とはいえ、闇雲に回しても美味しいコーヒーになるとは限りません。美味しくコーヒーを淹れるためには、お湯を注ぐのではなく、粉の上にお湯を置くようなイメージに注いでいきます。回すときの遠心力を使って、粉を混ぜてコーヒーを淹れていきます。

勢いよくいれるのではなく、優しく注ぐのもポイントです。コーヒーの粉には層があるので、そこをまんべんなくお湯が通ることによって、コーヒーのエキスをしっかりと抽出できるようになります。つい早くコーヒーを淹れたくなり、あらっぽくなってしまう人もいるのですが、とても繊細であることを認識し、丁寧にコーヒーと向き合うようにしてくださいね。

■正しい淹れ方ができていないとどうなるの?

コーヒーを回すと言われても、きちんとできたかどうか自分で判断するのは難しいかもしれません。もし淹れ方を間違えてしまった場合、酸味が強く出てしまい、お世辞にも美味しいコーヒーとはいえません。浅煎りになってしまい、豆にあった淹れ方ができていないために酸味が前面に出てしまうのです。

正しくコーヒーを淹れている場合は、香りが引き立つような良い酸味が出るので、すっぱいと感じることはないと思います。豆によっても美味しい淹れ方は違いますが、酸味が強くなってしまったときは、一度コーヒーの淹れ方を見直してみてもいいと思います。これができているかどうかでも、コーヒーの味は格段に変わります。

■まとめ

コーヒーを淹れるときに回して淹れるものだと知っていても、どれがどうしてなのか知らない人も多いと思います。回す意味がわかると、どうやったらいいのか考えるきっかけにもなりますし、より豆本来が持っている美味しさを実感できるのではないでしょうか。ちょっとした淹れ方の違いが積み重なると、コーヒーの味が変わってしまうこともあります。それだけコーヒーは難しく、誰が淹れても同じ味にはなりません。回すときも丁寧に全体からコーヒーのエキスが出せるようないれかたをしてくださいね。