
コーヒーフィルターの役目とは

ドリップコーヒーは、挽いたコーヒー豆にお湯を注ぎ、フィルターを通してコーヒー液を抽出する仕組み。
フィルターは、コーヒーのカスが混じらないように濾過する役割以外にも、雑味を吸収したり、後片付けが楽になるなど、さまざまな役割を担っています。
コーヒーフィルターの素材は、おもに紙、ネルなどの布、ステンレスなどの金属でできています。
今回は、それぞれの特徴やメリットを解説します。
ペーパーフィルター(紙)で淹れたコーヒーの特徴

日本の喫茶店やレストラン・オフィス・家庭などで、もっともよく使われているのは紙のフィルター(ペーパーフィルター)です。
世界初のフィルターは、20世紀初頭にドイツのメリタ夫人が考案したといわれています。世界的なコーヒー機器のメーカー「メリタ」のフィルターは今でも有名ですね。
紙フィルターは基本的に1回1回使い捨てで、洗う手間がなく衛生的です。
ただ、紙の特性として、コーヒーに含まれる油分や微量成分を吸収してしまうため、「雑味を取り除いてくれる」とも言えますが、味や香りが変化することをデメリットに感じる人もいます。
布フィルター(ネル)で淹れたコーヒーの特徴
布フィルターは、「ネル(フランネル)」という柔らかい布を袋状にして取っ手にセットし、挽いたコーヒーを入れてドリップします。
専用のサーバーの上部に取り付けて、ゆったりとお湯を注ぐ時間は心も癒されそうですね。
タイやラオスなど東南アジアの国では、最近は都市部では西洋式のカフェが増えましたが、今でも1人分ずつネルのドリッパーをポットにセットして煮出して作るコーヒーが健在です。
毎回、フィルターを洗って油分を取り除き目詰まりを防ぐ作業が必要ですが、紙の匂いがコーヒーにうつるといった心配がなく、まろやかな味わいが特徴。
ゴミも出ないのでエコというメリットもあります。
金属フィルター(ステンレス)で淹れたコーヒーの特徴

ステンレスなどに細かい穴をパンチングした金属のフィルターも人気です。
紙や布と異なり、ステンレスはコーヒーの成分をまったく吸収しないため、コーヒー本来の香りや甘みがそのままストレートに味わえるのが特徴。
紙や布よりも穴のサイズが大きいため、豆はやや粗挽きを使いましょう。
繰り返し洗って使えるため、たびたび購入する手間も必要なく、カビなどの心配もないのがメリットです。
ただ、目が粗いという特性上、ドリップしたコーヒーに微細な粉が混じり、カップの底にうっすらとたまることもあります。
気にならない人はもちろん問題ないですが、ざらつきが気になる人にとってはデメリットといえるでしょう。
おわりに
素材ごとにそれぞれ特徴があるコーヒーフィルター。
- すっきりした味わい…紙フィルター
- まろやかな味わい…布フィルター
- ストレートな味わい…金属フィルター
と、味の好みや使い勝手などを比較して、ぴったりなフィルターを選んでみて下さい!